鶴来のおいしい菓子処 「越原甘清堂」

koshihara_05駅 名:鶴来のおいしい菓子処
企業名:越原甘清堂
駅長さん:越原陽一
住所:白山市鶴来本町2ワ122
TEL:
ホームページ http://www.sky.sannet.ne.jp/koshihara/

火曜定休
白山をテーマにしたとち餅や酒かすてーらをどうぞ。


菓子店のはじまり

初代は能登千里浜の人で、金沢の菓子店で修行し、鶴来で店を開きました。私で三代目になります。

戦前までの鶴来は、(しらやまひめじんじゃ)の参詣客や一六市(いちろくいち)などでたいそう賑わっていたので、この町を選んだようです。開店当初はもっと神社近くにあったのですが、大正時代に現在地に引っ越してきました。

白山をテーマにしたとち餅や酒かすてーらをどうぞ。

 

お菓子の木型

鯛やタケノコや蓮のデザインなど、いろんな木型があります。使わないものもこの倍はあるのですが、スペースの関係で、半分ほど展示してみました。ここにある金華糖の大きなお菓子は、昔は婚礼などに注文がありました。

昭和30年前後くらい、店主の高校時代にはまだ金華糖の大きいものが注文があリ、割らないように大切に客先へ運んだ記憶があります。お寺の法事に使う落雁も最近では使わなくなりました。この落雁の木型ですが、中心部分に何回忌という文字が入りました。大きなお菓子の需要自体が減ってきています。このの木型は金沢の職人がつくったものです。今は木型は東京に注文しています。

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わさび羊羹

昔の帝国菓子博覧会で受賞したうちの羊羹です。地元の表具屋さんが見つけて持ってきてくれました。いま鶴来らしいお菓子を考える中で、この羊羹の復刻も考えています。パッケージには白山参拝お土産とはっきりうたっています。参詣客で賑わったこのあたりの当時がようすが想像されます。

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季節のお菓子

お正月のお菓子としては、辻占(つじうら)を作っていて、できたものはほとんど金沢や小松に納めています。このお菓子は手間ひまがかかり、いまでは自分のところで作っている菓子屋は少なくなりました。もなかの皮の中におもちゃの土人形の入った福徳(ふっとこ)も昔はお正月にうちで作っていました。おひな様の時季には小さな金華糖もつくっていますし、春先にはよもぎ団子もだしています。

辻占はすべて手作業、繁忙期には一日5000個つくる日もあります。中に薄い和紙があり、もとはいくつかの言葉を並び替えて遊んだものです。

酒かすてーら

ブランデーケーキをヒントにして平成4年くらいから作り始めました。日本初ではありませんが、県内では一二番くらいの早さだったでしょう。地元においしい酒があるので、鶴来らしい特徴のあるお菓子を出そうと考えました。

今では全国のお客様に向けて宅配しています。原料のお酒は萬歳楽さんから吟醸酒と純米酒を買っています。

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とちもち

ほかに力を入れているのはとちもちです。原材料は白山麓の栃の実で、土地のひとに頼んで持ってきてもらっています。

とちの実はあく抜きに時間と手間がかかるし、大量の水が必要なので、実自体をここで処理することはなかなかできません。あく抜きされた栃の実を製餅機に餅米と一緒に入れて搗き、仕上げています。栃の実と餅米の配合が味を決めます。

うちではきりもちと生もちの両方を売っていますが、味は同じではありません。生は柔らかさを出すために、皮にほんの少し砂糖を入れています。そのため柔らかいのですが、二日しかもちません。切り餅は栃の味わいが濃く、一週間から十日は持ちます。
鶴来でお菓子屋さんは十軒ほどあるが、とちもちは2-3軒しかやっていないでしょう。

息子が千葉県で修行をしているので、帰ってきたらなにか新しいことをやってくれるかもしれないと、楽しみにしています。