駅 名:牛首紬商い処
企業名:加賀乃織座
駅長さん:西山 博之
住所:白山市部入道町ト40
TEL:273-5755
ホームページ http://www.tsunoya.com/
日祭日、毎月第2土曜日定休
牛首紬のギャラリースペース。和装小物から反物まで
牛首紬
紬というのは、絹製品として出荷できないくず繭をつかって 作られた織り物です。商品にならなかった繭を使って自分たちの普段着などにしたのが始まりです。牛首紬は歴史が長く、文献には江戸時代初期に京都で牛首紬 が珍重されたとの記述があります。
明治9年に牛首村など3村が合併し白峰村となりましたが、むかしは交通不便な陸の孤島でした。山あいで田畑が少ないの で、昭和の始めまで炭焼きと養蚕で暮らしを立てていました。
いまでも大島紬や結城紬に比べて生産量が少なく、大都市でもなかなか見られない希少性の高い織 り物です。牛首紬は昭和63年に経済産業大臣指定伝統的工芸品に指定されました。
牛首紬の特徴
牛 首紬は独特の風合いと光沢があり、着たときにも軽くて着やすいのが特徴です。一度この着心地を味わうと、ほかの着物が着られなくなるというほどです。紬と いうとごわごわしているイメージがあるかも知れませんが、牛首は適度な張りが合って、しなやかです。糸じたいも空気を含んでいるので、通気性も良く、あた たかです。
基本的には秋から春のものですが、近年お客様のご要望で夏牛首も出来ました。また女性のみでなく、男性用もございます。
鶴来での生産
桑島住民が移住した代替地が鶴来桑島町で、紬の技術を持つ人もたくさんいました。
当社はその技能に着目しました。紬はすべての工程で手がかかります。ここなら農閑期に紬作りを手伝ってもらえると、今の場所に工場を作りました。移住してきたひとたちも雇用不安があったので、双方の利害が一致しました。
現在、紬は白峰工場と鶴来工場とで生産しています。両方あわせて従業員が60名おり、白峰工場では工場見学も受け入れています。
織り方や糸の取り方など、20の工程すべての総合力で、品質と商品力をつくっています。白峰工場でできた糸もここで後加工を行っていますし、先染めの織り物を作る藍ぞめの瓶もここに持っています。
ギャラリー加賀乃織座
全国に販路はありますが、常設展示している場所が無く、商品も見ていただけないので、平成5年この場所にギャラリーをつくりました。いまではインターネットから検索して、県外からもお客さんが来るようになりました。
駐車場には観光バスも入れますが、大きなお土産売り場があるわけでもないので、ここへは本当に着物のすきな人が来て下されば良いと思っています。少人数のお客様ならお茶でも飲んでいただいて、商品説明なども詳しくできます。
商品の展開
紬で着物や帯をつくる以外に、お求めやすい価格の和装小物も開発しています。和装バッグや信玄袋、財布や扇子がございます。また伝統的な柄と造りのネクタイもございます。
これからの紬作り
魅力ある牛首紬を後世に残してゆきたいし、これに携わる人が生活できる産業として残したいです。ごく少数の芸術家がアートとして作品を作るのではなく、商品として流通できる価格帯で作らないと産業として成立しません。
これまで白峰という交通不便な地で生活ができたのも紬があればこそです。これで地域経済が豊かになってほしい。それが基本の理念です。
貴重な手作りの工芸品であり、長く使うことで愛着のわく牛首紬の世界をギャラリーでぜひごらんください。