牛首紬商い処 「加賀乃織座」

駅 名:牛首紬商い処
企業名:加賀乃織座
駅長さん:西山 博之
住所:白山市部入道町ト40
TEL:076-273-5755
FAX:076-273-3606
ホームページ https://ushikubi.co.jp/
お問い合わせ:当社ウェブサイトフォームからお問い合わせください。

牛首紬のギャラリースペース。
牛首紬の和装小物から着物・帯まで全てのアイテムを展示販売

営業時間
午前9時から午後6時まで
土・日・祝日定休
*休業日の対応について
休業日につきましても事前のご予約でご来店が可能でございます。
ご予約はご来店の7日前までに電話、FAX、Eメールにて受け付けております。



牛首紬

牛首紬は、石川県白山の麓、白峰(旧牛首村)に800年以上の昔から続く伝統の織物です。紬というのは、絹糸をつくる原料となる「繭」の中でも、商品として出荷できない「くず繭」から糸を挽いて織り上げられた織物のことを言います。牛首紬の歴史は古く、江戸時代中期に江戸で牛首紬 が珍重されたとの記述のある文献がのこっています。

昔この地域は交通不便な陸の孤島でした。険しい山に囲まれ耕作に適した平地が少ない地域なので、昭和の始めまでこの地域では炭焼きと養蚕を主力産業として暮らしを立てていました。

村の養蚕農家で作られた繭。良い繭は出荷し、不良品の繭は売れずに手元に残りました。この出荷できなかったくず繭を使って自分たちの普段着用の生地を作ったことが現在の牛首紬の始まりです。

牛首紬を製造している企業は2社のみとなっており、大島紬や結城紬に比べて生産量が少なく、大都市でもなかなか見られない希少性の高い織物です。

昭和63年に経済産業大臣指定の伝統的工芸品に認定されました。

現在では大島紬、結城紬と並び日本の三大紬のひとつと称されています。

牛首紬の特徴

牛首紬はくず繭の中でも「玉繭(たままゆ)」という特殊な繭から糸を挽きます。玉繭とは二匹の蚕が共同してひとつの繭をつくったものを言います。玉繭から挽いた糸を玉糸と言い、これをヨコ糸に使用し織り上げます。現在もほとんどの作業を伝統的な手作業で生産しています。

牛首紬は独特のやわらかな風合いと品の良い光沢感があり、着た際にもゴワゴワせずに身体に馴染む着心地が特徴です。一度この着心地を味わうと、「ほかの着物を着たくなくなった」と言われるユーザーも多数いるほどです。

紬というとごわごわしているイメージがあるかも知れませんが、牛首紬は適度な張りとしなやかさを合わせ持っています。

糸自体が手挽きで丁寧に作られているため、糸に多く空気を含みます。そのため軽くて暖かく、通気性が良いという特性が生まれます。

また、一般的な紬はおしゃれ着としてのみ着ることができるのですが、牛首紬の場合、無地染や加賀友禅などの染め方や柄行きによってセミフォーマルとしてお召しになることができるのも大きな特徴です。

牛首紬を代表する後染めや縞柄など様々な柄行きに加え、男の着物や袋帯、9寸帯や夏牛首など商品アイテムも多数ご用意しております。

鶴来での生産

1970年ごろに着工した手取川ダム建設により、それまで牛首紬の生産をしていた桑島地区住民の一部が鶴来地区へ集団移住しました。

ここには紬の技術を持つ人もたくさんいました。紬はすべての工程で手がかかる上に、この技術は一朝一夕で身につくものではありません。

この技術を活用するために集団移住地の近くの現在の場所に工場を作りました。移住してきた人たちも見知らぬ土地での就職先を心配して不安があったので、多くの職人さんに働いてもらうことができました。

ギャラリースペース 加賀乃織座

全国に向けて出荷している牛首紬ですが、かつては常設展示している場所が無く、皆さんに商品を見ていただく機会も少なかったので、販売部門を独立し平成5年この場所にギャラリーをつくりました。

牛首紬の和装小物から着物・帯まで全てのアイテムを展示販売しています。

このお店へは織物に興味のある方や着物好きの方に気軽にご来店いただければと思っています。少人数のお客様ならお茶でも飲んでいただきながら、牛首紬の歴史や文化、商品説明なども詳しくお話させていただきます。

加賀乃織座 https://ushikubi.co.jp/gallery/

商品の展開

紬で着物や帯をつくる以外に、お求めやすい価格の和装小物も開発しています。和装バッグや信玄袋、財布や扇子などがございます。

商品については「つの屋」のHPからご覧下さい https://ushikubi.co.jp/tsunoya/

これからの紬作り

魅力ある牛首紬を、これに携わる人の生活が成り立つ形の「産業」として残していきたいと思っています。牛首紬によって地域が少しでも豊かになってほしい。

それが基本の理念です。

最近ではその風合いが海外でも評価されパリ・オートクチュール・コレクションの素材としても採用されるなど洋装分野でも注目されつつあります。

貴重な白山市の伝統工芸品であり、長く使うことでますます愛着が湧いてくる牛首紬の世界をギャラリーでぜひご覧ください。

貴重な手作りの工芸品であり、長く使うことで愛着のわく牛首紬の世界をギャラリーでぜひごらんください。