料理旅館山水苑 「(株)サンスイ」

sansuien06駅 名:料理旅館山水苑
企業名:(株)サンスイ
駅長さん:田中智子
住所:白山市小柳町チ218
TEL:272-0476

12月31日~1月1日休
四季を通じて山菜や魚料理が自慢です。

なりたち

このあたりは金沢と鶴来を行き来する中間で、建物に向かって左側、山に沿った道が旧道です。昔は小柳の茶屋があり、歩いて往来する人が休憩する場所だったそうです。父は小柳町の農家、夫はもとは鶴来新町で魚屋をやっており、市場での仕入れ免許を持っていましたので、安くてよい魚を仕入れることができました。

レストランが昭和48年、旅館が54年にできました。創業当時は前の道が157号線で、鶴来や白峰方面へは全てこの道を通って行き来していました。

宿泊設備

3人/4人/5人用あわせて6部屋あります。ほかに団体のお客様には大広間を使う場合もございます。
一晩で多いときは、全部で20名様前後お泊まりいただいていますが、目が届きかねるので、一定の品質のおもてなしが出来る人数を限度として、ご予約いただいております。

駅のそばではありませんが、送迎バスもございますし、駐車場も収容人員以上に広く確保しております。大晦日と元日以外は年中無休です。繁忙期は1ヶ月先でも満室の場合がございます。

お得意様という財産

開業当時とかわらず、昔からのお客様が来ていただいてうれしいです。そのようなお得意様が、新たに若い人も連れて来てくださいます。会社の長期出張などでも、一度山水苑に長期滞在すると次も指定いただけ、お馴染みのかたがどんどん増えてきます。

いつものお客様はお好みがわかるので、食事も献立を入れ替えたりしていますし、お望みの料理があればご希望に添うようにしています。しかしこれからも設備を拡大して売り上げをあげようというつもりは毛頭ございません。

山菜

私自身、白峰の山を歩いてきのこ鍋の材料を採ってきます。秋には地元でシモオコシという、珍しいキノコなどをお出しして喜ばれております。できるだけ珍しい食材や料理をお出ししたいと考えておりますが、不作の年は採れないこともございますし、自然の物ですので、いついつまでに何人分ほしいとおっしゃっても、叶わないことがございます。

自然の味

味噌は自家製、醤油は地元鶴来産、昆布と鰹としいたけで毎日だしをとっています。何が入っているかわからない市販の調味料はいっさい使いたくありません。漬け物や梅干しも自家製です。うちのは梅干し等も塩からい昔流の味ですが、そのようなものをお客様がおいしかったと喜んでくれます。

またごく飾らない、野菜の炊いたものもおいしい、おいしいと喜ばれます。遠方のお客様がわざわざ予約のときに大根の炊いたのを出してほしいと念を押されたことがありました。おかげさまで贅沢な食材を豊富に使っていなくても、料理がおいしい宿という評判をいただいているようです。

海外見聞

昭和40年代、1ドル360円の時代からから海外へはよく行きました。まだ行ってないのは台湾とブラジルとシンガポールくらいです。何日も前から計画し、香港へは4-5回行っているし、欧州にはひとりで1ヶ月間行きました。

中国も共同通信の同級生が手配してくれて友人11人で参加しました。いまでもよく遊んで歩いています。旅館や畑仕事、梅干し漬け物など忙しい毎日ですが、何日もまえから段取りし、時間をつくって行っています。

冬虫夏草のあつまり

大学の先生と製薬会社のひとのグループで、全国に冬虫夏草を探しにいっています。冬虫夏草の第一人者、故清水博士が来県して山水苑に泊まったことがありましたが、料理がうまいとごひいきにしていだだき、山が好きならと白峰の山に一緒に入りました。兼六園でも腕章して許可の元に探しましたが、ふつうのひとではまず見つからないでしょう。

もちろん学術研究目的なので、採取した冬虫夏草は自分で服用したりはいたしません。このような会はあくまで例外で、ひとから誘われても自分が本当に好きなことでないとやらないし、自分の好きなことでもあえてひとは誘いません。

笹寿司や大根寿司もつくっており、全国の友人に送って喜ばれています。店で売らないのかとよく言われますが、笹の葉を採りに行くのも大変ですし、お金のために義務感でやりたくはありません。世間でもよくあることですが、出来ないことまで手を広げると、どこかで無理が出て、ごまかさざるを得なくなってきます。

山水苑は今のままの規模と設備で、今のままのおもてなしを続け、お客様によろこんで頂ければよい、と考えております。