加賀の菊酒 汐井酒店 「汐井酒店」

shioi_16駅 名:加賀の菊酒
企業名:汐井酒店
駅長さん:汐井久恵
住所:白山市鶴来新町タ90-2
TEL:272-0013
ホームページ http://www.shioisaketen.com/

不定休
鶴来の地酒を中心とした充実の品揃えです。


創業当時

今の母屋は私の祖父が明治時代に買ったもので、100年以上たった建物です。店舗部分は20年前に隣家が移転したあとの土地を分けてもらい、母屋ときれいにつないでもらいました。町並みに合った外観にしており、今なら景観賞なども取れそうですが、当時は新しいものがもてはやされ、店舗照明コンテストなどでは、明るくて蛍光灯のたくさんついた奇麗な照明の店が受賞していた時代でした。

母屋のおえの部分は寒いので、天井をはって使っています。昔はここも吹抜けで、炭の暖房しかなかったので、冬はものすごく寒かったものです。店舗の表はシャッターのように上下に閉まる板戸にしてあリ、夜になると閉めていました。

目利きの祖父

うちには江戸末期の九谷焼や、初代徳田八十吉(1873-1956)の作品などが伝わっています。祖父が八十吉と懇意で、何十人前の器を焼いてもらいました。今ならいくらするのか見当もつきません。昔は法事や還暦、初老会などを自宅で行ったので、鶴来の旧家は人数分の食器を揃えていました。

茶碗から輪島塗りの膳を持っていて、料理屋から料理を持ってきてそれらの器に盛りました。私の娘時代にはまだそれらの道具を使っていましたが、40年ほど前に祖父がなくなって、通夜にその食器をだしたところ、そんな大切なものを出すなと叱られました。

道具蔵

道具蔵の障子に文政十年(1827年)の年号がありました。また道具蔵の前蔵の扉が大火で焼けたあとも残っています。町八家具さんあたりまで全部燃えたそうで、蔵から前の建物は全部焼失しましたが、石で作った蔵だけは燃え残りました。その引き戸の取っ手が焼けこげた木材といっしょに残っています。

商品の蔵

店舗の東側に祖父が建てた大きな蔵があります。酒造りをするつもりだったのが、ちょうど息子が徴兵されたので断念しました。4間に10間の広い蔵で、世界恐慌後の国内景気が最低だった時代、仕事ができてみんな喜んだそうです。

棟や柱に大きなけやきの大木を使い、人力だけで建てた当時の苦労がしのばれます。この蔵も建てて70年ほど建ちましたが、中もきれいで、商品の置き場としてつかっています。

まちから頼まれてイベントをやったこともありますが、本格的に活用するには、母屋を壊して通路を拡幅するなど大掛かりになるので今のまま残しています。

商品

連峰白山

連峰白山はうちが菊姫酒造でつくった酒です。約10年前に汐井酒店が商標登録しました。いつかは割安で、美味しい自分の酒をだしたいと思っていましたが、やっと念願が叶いました。

鶴来ではおはぎ屋やくろゆりの里にも置いてあります。良く売れていますが、限定製造のため、在庫分で終わりです。

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菊姫大吟醸

菊姫でつくった平成5年6年7年の吟醸酒があり、プレミアムが付いていますが、店舗奥の冷蔵庫に低温冷蔵しています。菊姫山吟原酒もあります。

うちは菊姫会に加盟しています。全国や約300店ほどの会員がおり、菊姫酒造での試飲会や勉強会に参加しています。わたしも店舗にある酒はすべて味を知っています。店頭に出していないものも、お好みをおっしゃって下されば、奥の冷蔵庫からお持ちします。

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ワイン

改装前から扱っています。もう20年ほど扱っていますが、最近ではチリ産のワインが安くて美味しいと、よく売れました。

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鶴の里

日本酒の消費量はへっていますが、菊姫は「鶴の里」で世界でも有名になりました。これは菊姫会がもっているお酒で、よそでは売れません。数量も少なく在庫も切れてしまって、次回は11月ごろに入ってきます。

いまから予約している人もいますし、いろんなところからひきあいがあるヒット商品になりました。