鶴来刃物 元祖太田一鉄 「太田刃物製作所」

oota_12住所:白山市鶴来今町タ181(町八家具店内)
TEL:090-2038-0218

木曜定休


刀工一鉄の流れを汲む。五木寛之氏も絶賛の皮とり包丁

古くから鶴来の鉈や鍬などの打ち刃物は有名で、昭和初めに10ほどの業者が打ち刃物や農機具、のこぎりなどを作っていました。うちも17代一鉄の父と兄が太田一鐵の名前を継いで鍛冶屋をやっていましたが、二人が物故した今は、当時の弟子がうちの技法を引き継いで刃物を作っています。

二人の使っていた道具はみな鶴来博物館に寄付し、ここにはありません。

鍬の季節

今の需要は農具が中心です。タケノコ掘りの鍬が良く売れています。切れが良いと作業がはかどるので、人気があります。

冬場は春先に向けて一番忙しい時期です。昔からうちの農具を使っているひとには、他を使う気がないようで、サッカケ(先掛け)で、刃先に刃を付け直してずっと使ってもらっています。タケノコ農家では代が変わってもうちの鍬をお求めいただいています。量販店で安い鍬が出回っているのですが、眼中にないようです。

いつかも、うちの鍬の値段を見て量販店に向かったひとが、また帰ってきて鍬を買って帰りました。
うちの鍬は一本2-3万円ほどしますが、こないだは鶴来にきた観光客がうちで鍬を買ってそのままバスで帰ってゆきました。

農具だけでなく、雪の季節には凍った雪を砕くのにつるはしが売れました。

嫁入り道具の包丁

結婚する娘に持たせたいと母親が文化包丁や出刃包丁、皮取りなど包丁をセットで買いにきました。
ステンレス包丁ではちがう、日々の手入れ方法をご説明し、お買い上げいただきました。

本式の包丁が欲しいといらっしゃる方もいて、自分の船で釣りをする方も魚をさばくのに出刃を買って行きました。宣伝もしていませんし、どこからか聞いてきてうちにお見えになるようです。

生け花用のなた

母から話にしかきいておらず、だれが注文したかもわかりませんが、お花用のなたを作ったことがありました。刃渡り8センチほどで、厚みがあるので、小さくてもずっしりした重さがあります。もしお花用に同じものが求められるなら、また作ってみようと思い、現在復元しているところです。その鉈を見本で展示し、本当に求めるひとが出てくれば、細かいご要望を入れて商品に仕上げたいと思います。

作りの良さをわかってもらえば、また売れるとおもい、あまり宣伝はしていませんし、昔ながらの売り方を続けています。かわとり包丁が有名になリ、県の物産展などに出品していますが、お花の鉈が出来たらまた広めてゆきたいです。