布遊びギャラリー「白山襲織ゆめ工房織仁」

origin_01駅 名:布遊びギャラリー
企業名:白山襲織ゆめ工房織仁
駅長さん:出口勉
住所:白山市鶴来本町4チ25
TEL:272-3966
ホームページ http://kasaneori-origin.jp/

土日祝休
ジャガード織技術で小紋柄をアレンジしたベストやバック

設立まで

布遊びギャラリーの母体は出口織ネームで、自社の持つジャカード織の技術を生かした商品の展示スペースとして、平成19年秋にこのギャラリーをオープンしました。

もとは服のラベルネームを製造しており、石川や福井に同業者も多かったのですが、ネームがメインでは製造コストの安い海外製に対抗できません。それには技術をとことん追求して、よそで真似のできない独自のものをつくって行かねばならないとの思いから、ネームなどの部品でなく、完成品である創作織物を開発・展開しているところです。

今後は織りの技術をきわめて、美術館に直接おけるほどの物をつくりたいと願っております。

商品開発の道のり

社長が二代目として家業を継ぐ前に、金沢の地場産業振興センターで、長年織りや色彩を研究してきました。どのように織ったらどういう製品ができて、どんな表現が可能なのかを、自分が納得行くまで試作し、織の技術を懸命に追求したのです。その最初の成果が、友禅模様のコースターです。

サイズは小さいのですが、糸は12色使い、複雑な絵柄と精妙な色合いを出しています。この作品づくりにはおよそ半年かかり、平成9年にようやく最初のOriginブランドの製品として発表しました。それ以降、織りのノウハウを生かして開発してきた製品のほとんどがこのギャラリーに展示されています。

ギャラリーの商品

小物ではコースターや壁掛け、ランチョンマットなど。服飾関連では旅行用のベストやショールなど、バッグ類ではリュックサック、トートバッグやショルダーバッグ、ポーチなどを展示販売しています。また非売品ですが、鶴見総持寺むけに製作したバッグや、書家のオリジナルから製作した織物、壁掛けのタペストリーがございます。

ひとつの織りのなかにいろいろな織りの技法と配色を盛り込んだ物を、平安時代の襲の色目にちなんで、白山襲織(かさねおり)と名付けました。

人との出会い

これまで何点か、お寺関係の製品を開発してきました。禅宗のお寺でくばるため30個だけつくったバッグや、横浜鶴見総持寺向けに作った経本を入れるバッグなどを特注で納めました。お寺のご住職などは織物に対してもお目が高く、なかなかお好みを把握するのに時間がかかりますが、一度製品を納めて10年近くもおつきあいすると、次はこういう製品をお望みだろうということがわかってくるようになります。

私がもっぱらオーダーを頂くのですが、欲しいとおもうひとの気持ちを聞かないと始まりません。話をよくきかないで作り始めると、必ず出来上がりに不満が出てきます。お客様が満足したときには、代金も早く振り込まれるので、それとわかります。

一点もの

「大道無門」の織物が奥の和室に展示されていますが、この書は現代かな書の最高峰、藤岡保子さんの作品で、ご遺族の許可のもとに製作しました。書をオリジナルに忠実に再現するなら、それは印刷の方が適しています。この書の世界を織物で独自に表現するにはどうするか、熟考した末に、文字の背景をモザイクのような文様で埋めつくすことにしました。

完成した書に近づいて見るにつれ、文字の背景の微妙な模様が浮き出てきて、紙に書いたものとは全く異なる、織りの工芸品としての姿があらわに見えてきます。今後は墨色の微妙な濃淡を織物で表現することが課題です。

友禅の世界では、作家の由水先生が描いた原画をもとにしたタペストリーが加賀屋渚亭に飾られています。
先生お得意の童子の画で、幅8mで高さ2m、特殊な糸をつかった豪華な織物です。これを製作する糸を作るのだけでも4週間を要しました。このような巨大な作品で困るのは、広い場所が無いと全体の絵柄がつかみにくいことですが、将来は大型の織り物を茶室やふすまとしてつかってもらうのが夢です。

ベスト

隠れた人気商品として、旅行用のベストがあります。盗難防止用の隠しポケットを付けた商品で、買ったひとが口コミでつぎつぎに紹介してくれ、ヒット商品になりました。これもきっかけは一人のお客様のわがままに応えていくうちに、商品が完成したものです。

バッグ

うちの襲織のトートバッグを持って歩いていると、見知らぬ女性が追いかけてきて、そのバッグどこで買ったのですか、と聞かれました。万人に好まれる製品ではないかも知れませんが、うちの技術やデザインが見知らぬ人の気持ちをとらえたことにたいへん驚き、また喜びも感じました。他にもショルダーバッグなどをバッグデザイナーと協力しながら開発しています。

皆様も鶴来へおいでの折には、ぜひ布遊びギャラリーで襲織の世界に触れてみてください。